バリュー投資研究会

バリュー投資についての内容をシェア・議論するためのスレです

上記の本を読んだので、勉強した内容についてまとめます。
要は 長期的にROEが高く、自己資本比率が高く、倒産しにくい企業をポートフォリオに入れておくことが、結局いちばん報われやすいということです。


割安だからって良いとは限らない

世の中では「PERが低い」「PBRが1倍割れ」といった“割安”の基準が強調されがちですが、実際にはそれだけで上手くいくとは限りません。

なぜなら、株価が安くなるのにはたいてい理由があるからです。
業界環境の変化や競争力の低下、あるいは構造的な問題を抱えているケースも多く、
“割安”は“お得”というよりも、“リスクが織り込まれている”状態であることも少なくありません。


ROEという考え方

本書で繰り返し紹介されていたのが**ROE(自己資本利益率)**という指標でした。
株価の“安さ”よりも、企業がどれくらい効率的に株主資本を増やしているかに注目するという考え方です。

ROEが10%というのは、1年間で株主資本を10%増やしたという意味になります。
つまり、企業がどのくらいのスピードで株主の価値を増やせているかを示しているわけです。

もちろん、ROEにも落とし穴はあります。
借入金を増やせば一時的にROEを高く見せられるし、自己資本を減らすことで見かけ上の数値を上げることも可能です。
だから、「高いROE=優良企業」とは限りません。

それでも、入門的で理解しやすく、データも簡単に取得できるという点で、
個人投資家が企業の“稼ぐ力”を把握するには非常に有用な指標だと感じました。


減益=悪ではない

もう一つ印象的だったのが、「減益は必ずしも悪ではない」という考え方です。
本書では、景気要因による一時的な減益はむしろチャンスになることが多いと紹介されていました。

景気全体が落ち込んでいる局面では、多くの企業が一時的に利益を減らします。
そのときに大事なのは「赤字になっていないかどうか」。
赤字になると株主資本が減り、これまで積み上げてきた“複利の基盤”が削られてしまいます。
逆に、減益であっても黒字を維持していれば、株主資本は少しずつでも増え続ける。
この積み上げが、長期的に株価の下値を押し上げていくのだと感じました。


長く伸びる企業の特徴

学んだ中で特に印象に残ったのが、「10倍株を生む企業の条件」です。

  • ROEが12%前後ある
  • そのROEが数年間継続している
  • 利益成長が続いている

この3つを満たす企業は、やはり株主資本を複利で積み上げているという共通点があります。

特に、小売業や地方発の専門業態では、地方で確立した収益モデルを大都市圏に広げていく企業が多く、
このタイプが大化けするケースが目立ちます。

一方で、テクノロジー企業の場合は少し性質が異なり、
既存のルールを変える力」が鍵になります。
流通の仕組みを変える、働き方を変える、ライフスタイルを変える──。
こうした構造変化を起こせる企業は、結果的に高いROEを長期的に維持しやすいのだと理解しました。


まとめ

最終的に感じたのは、投資の本質は「安く買うこと」ではなく、
株主資本を安定的に積み上げ続ける企業を見つけることだということです。