文京区の中古マンションの相場及び供給について分析してみた

本分析では、文京区の中古マンション市場の傾向を築年数、駅距離、面積ごとに解説し、今後の購入検討の一助とすることを目的とする。

いつものように、データは新耐震、リフォームなし、SRC&RC、最寄り駅まで15分以内に限定している。
直近1年間は2023年Q3から2024年Q2までのことを指している。

文京区における中古マンションの面積分布


直近1年間の面積分布を見てわかるように、文京区における中古マンション取引のボリュームゾーンは40~80平米であり、カップルやファミリー向けのマンションが多い地域であることはわかる。

文京区における最寄り駅別中古マンションの価格分布

最新の取引傾向を反映させるとともに、サンプル数を十分に確保するため、分析データは築年数25年以内かつ直近2年間(2022年Q3から2024年Q2)のものに限定している。

上記のグラフの青い四角形の中に表示されている数字は平米単価の中央値を示しており、その区の代表的な価格です。また、青い四角形自体が成約価格のボリュームゾーンを表し、〇は外れ値である。

文京区のことだが、水道橋駅周辺の価格が筆頭となっている。実際23区内一番上昇しているのは千代田区のため、水道橋が一番高いのは納得できるだろう。春日駅周辺の外れ値は、成約価格データおよび物件特性から考えて「パークコート文京小石川」だと推測される。なお、この物件は三井不動産の高級マンションシリーズに該当し、文京区内でも特に高額な物件の一つである

文京区における築年数別中古マンション成約価格と件数

赤い線は築年数区分の平米単価(万円)の推移を示している。青い棒は築年数区分の成約件数を示している。
築30年のマンションは、元の価値の63%に、築40年では51%にまで下がることがわかる。また、築30年以内のマンションは供給量が多く、比較的流動性が高いことがわかる。

文京区における築25年以内中古マンションの成約平均価格推移


築25年以内で減価率が低い物件に限定し、成約平均価格をプロットした。直近では建築費用の上昇が影響し、文京区も例外なく、価格が上昇している。

文京区における駅距離・築年数別中古マンションの成約平均価格

上記のグラフは駅距離・築年数別の平均価格をヒートマップにしたものであって、希望する物件の平米数を掛けることで、必要な予算を概算できる。

駅徒歩5分以内の物件は平均価格が顕著に高くなっているが、この傾向は「パークコート文京小石川」の影響による可能性がある。

結論

2024年2Qの東京都23区の中古マンションの成約価格動向より、文京区は23区内で成約価格8位と比較的高い水準だが、40~80平米の物件が多く、カップルやファミリー層に適した物件が豊富である。また、築25年以内の物件では減価率が低く、今後も安定した価格が見込まれる点で、購入を検討しやすいエリアである。

データの出典:不動産情報ライブラリー