豊島区の中古マンションの相場及び供給について分析してみた

本分析では、豊島区の中古マンション市場の傾向を築年数、駅距離、面積ごとに解説し、今後の購入検討の一助とすることを目的とする。

いつものように、データは新耐震、リフォームなし、SRC&RC、最寄り駅まで15分以内に限定している。
直近1年間は2023年Q3から2024年Q2までのことを指している。

豊島区における最寄り駅別中古マンションの価格分布


最新の取引傾向を反映させるとともに、サンプル数を十分に確保するため、分析データは築年数25年以内かつ直近2年間(2022年Q3から2024年Q2)のものに限定している。

上記のグラフの青い四角形の中に表示されている数字は平米単価の中央値を示しており、その区の代表的な価格です。また、青い四角形自体が成約価格のボリュームゾーンを表しています。

一般的には目白の方がイメージが良いとされるが、豊島区の中では東池袋が突出して高い。ランドマークのアウルタワー、エアライズタワー、ブリリアタワーに次、新たな挑戦者のグランドシティタワー、プラウドタワーが現在建設中で、ランドマーク多すぎ問題が発生している。また、サンシャインシティが近接しているため、住環境としての利便性が高い。

今回の分析の目的はあくまでも豊島区の傾向を把握するため、今後の分析では、最寄り駅が東池袋の物件データを除外する。

豊島区における中古マンションの面積分布

直近1年間の面積分布を見てわかるように、豊島区における中古マンション取引のボリュームゾーンは20~80平米であり、隣接する板橋区練馬区とは異なり、投資用やDINKS向けの物件も多い。

豊島区における築年数別中古マンション成約価格と件数


赤い線は築年数区分の平米単価(万円)の推移を示している。青い棒は築年数区分の成約件数を示している。
築30年のマンションは価値が元の65%になり、築40年では54%になることがわかる。また、築25年以内のマンションは供給量が多く、比較的流動性が高いことがわかる。

豊島区における築25年以内中古マンションの成約平均価格推移


築25年以内で減価率が低い物件に限定し、成約平均価格をプロットした。直近では建築費用の上昇が影響し、豊島区のマンション価格も上昇傾向にあることがわかる。

豊島区における駅距離・築年数別中古マンションの成約平均価格


上記のグラフは駅距離・築年数別の平均価格をヒートマップにしたものであって、希望する物件の平米数を掛け合わせることで、必要な予算を算出できる。

結論

豊島区の中では東池袋駅の近くのマンションが突出して高く、要町は山手線外側に位置するが、地下鉄の有楽町線と副都心線両方使えるため、便利で価格が堅調であると言える。マンション価格が上昇基調にある現状では、比較的手の届きやすい価格帯の物件が見つかる地域である

データの出典:不動産情報ライブラリー