投資・トレードの必勝法について書いた記事だけど、詐欺対策にもなるのではないかと思う。
イントロ
投資・トレードはやり方が十人十色だ。
個別の株の業績や、経済状況といった情報を吟味して「ファンダメンタル分析」を重視する人もいれば、対象銘柄の値動きや、インジケーターなどを使って「テクニカル分析」重視する人いる。
世の中に、ファンダメンタル分析やテクニカル分析を論じる本は山ほどあるが、今回はそういった本に書かれてる内容をどれほど信用できるかについて話したいと思う。
じゃんけんゲーム
本番に入る前に、まずは二人でのじゃんけんゲームについて考えたい。じゃんけんは完全にランダムに出すと、勝率は33%だと知られている。しかし、完全にランダムには出さないし、出せないだろう。
「相手はさっきグーを出したから次は出さないだろう」、「最初はパーを出すタイプなので、チョキを出そう」など、色々相手の裏をかくわけだ。また、「自分にグーを出したあと、パーを出す癖がある」と相手に気づかれたら、勝率が下がることも想像できるだろう。
投資・トレードというゲーム
読者が知ろうとするだろうから、市販の本ではファンダメンタル・テクニカル分析問わず、買いタイミングを教える。例えば、基礎的なものとして上記のようなチャートを載せ、高値を突破したら買いだと。これから前の値段より高くなるから、もっと上がるだろうというのも自然な考えだ。
じゃ全員そこで買ったら全員儲かるの?
短期的な売買はゼロサムゲームは知られている、4人で麻雀をしているのを想像すれば分かりやすいだろう。勝ち負けによらず、ゲーム終了した際に、4人のトータルのスコアは一定数である、つまり資源が限られている状態で奪い合うわけだ。つまり、短期的にあなたが相場で得た利益は誰かの損失、あなたが出した損失は誰かの利益となる
こちらのチャートを見てみよう、さっきと近いパターンだよね?上昇傾向にあって、一時的に下がったが、また高値を突破した。
しかし実際は同じパターンにならず、約2週間で11%近くも下落した。
市販の教科書も、SNSもよく、歴史は繰り返すっていうけど、果たして必ず再現とは限らない。
では、なぜなんだろうか?
それは先ほど説明したじゃんけんゲームと同じように、市場の参加者は全員その情報を知っているから、逆手を取られる可能性もあると考えている。
転売で考えよう
もう一個の例で考えてみよう。台風といった災害が来ると予めくると知っている時に、スーパーで生活用品の買い占めが起こったりする。仮に、生活用品の買い占めからの転売は違法ではないという世界線だとしよう、そしてあたなは超能力を持っていて、ニュースよりも早く災害が来るのを予想できる。
Step 1.仕入れ
それで、明後日から7日間も、台風が連続で来るとあらかじめ知って、あなたは生活用品を転売して一儲けしようとした。もちろん、短期的に買える生活用品は限られている(そもそも無限に供給があるなら転売は儲からないから無意味)、ということは、今持っている情報を知られたら、他に買い占めする競争者が発生するから、こっそりいっぱい買うのは一番都合がいいだろう。
Step 2.捌き
計画通りに、あなたは台風が来るという情報が拡散される前に、いっぱい生活用品を仕入れた。じゃいつ売るのか?台風が去ってから売ってもそんなに利益にならないって簡単に想像できるよね?「台風が来るんだ!」ってみんなが知って、焦って買おうとするときに、一番高値で売れるし、一気に売れるよね。
まとめ
大量に在庫を持っている人からすると、買いシグナルが発生する際に、一気に高値で在庫を捌けるから都合がいい。
だから、知られているシグナルほど、逆手とられる可能性がある。そして、在庫は限られているので、仮に高確率で儲かる手法があっても教えることはないだろう
それはSNSの買い煽りと売り煽りも同様だ、今から買って儲かる話なんて転んでこない、ポジショントークか、あなたをカモにしようとしているだけ。
でも今の例は単純な例で、もっと複雑な条件を入れたら改善するじゃん?
って考えるのも自然なんだろう、いかにもそうであるが、その複雑な条件であればあるほど、レアケースである可能性もあるし、汎用性がない可能性が高くなる。また、そういった手法は今あるとしても、他の人にたどり着かれたら、あなたが取れる在庫が少なくなり、いずれ利かなくなる(エッジが消えるともいう)
結論
不変な聖杯なんて
だから、そこらへんの情報商材なんてを買うよりも、自分の目で観察して頭で考えてリサーチして、自分なりでずっと戦術をアレンジしていくしかない